22〜25日 白馬岳~清水尾根~祖母谷温泉

白馬岳~清水尾根~祖母谷温泉
日程>      平成29年9月22日(夜行バス)~25日(月)
メンバー>    LS水、Y川、K光
コースタイム>  1日目>栂池高原7:00~(ゴンドラ・ロープウェイ)~栂池ビジターセンター7:45~天狗原9:20~乗鞍岳10:25~白馬大池山荘11:05~ランチ~11:50~小蓮華山13:20~三国境14:05~白馬岳14:45~白馬山荘15:05
                 2日目>白馬山荘6:00~清水岳直下9:03~不帰岳避難小屋10:48~祖母谷温泉15:30
 
白馬岳には今まで何度か登頂していますが、今回の目的は何と言っても秘湯、祖母谷温泉と、長い下りで有名な清水尾根です。一日目、朝から曇り空。時より薄日が射す感じで、このまま雨が降らなければ、と思いながらゴンドラとロープウェイを乗り継いで栂池ビジターセンターまで行きました。残念な事に、上へ上がって来たら霧雨。雨具を着る程でもないので、暫くそのままで歩き出しました。ビジターセンターからの道は、とても良く整備されていて安心して歩ける道です。樹林帯を程よい斜度で登って行くと、天狗原と言う湿原に出ます。ここから暫く林道を歩きます。天狗原の湿原は、以前登った苗場山に良く似ています。ちょうど紅葉が始まっていて、所々、ナナカマドが赤く色付き、秋を感じながら登って行きました。程なくして雪田があり、そこを過ぎると乗鞍岳。大きなケルンのたもとで一休みして次の白馬大池へと進みます。暫く行くと霧の中から池が見えて来ました。池のほとりを歩きながら進むと、白馬大池山荘です。ここでランチ休憩。お湯を沸あかして休憩していると、時よりガスが晴れて、大池と回り山々が見えました。思わず皆な、池のほとりに駆け寄り、写真をパチパチ。白馬大池山荘のテント場は、平らで水場もトイレもあるので、ここをベースキャンプ場としてサブザックで白馬岳を往復する方もいました。ランチを取ったら最終目的地の白馬山荘までもうひと踏ん張りです。だんだん天気も晴れて来て、稜線に出ると風も出て来ました。風に吹かれながら登って行くと、小蓮華山。そこには大きな鉄剣がたてられていました。縦走路をそのまま進むと三国境です。名前の通り、新潟、富山、長野の県境が接している所です。この分岐を馬ノ背と呼ばれる尾根を登ると、程なく白馬山頂です。山頂では、生憎ガスが掛かって眺望は楽しめませんでした。風に吹きさらされて寒くなってしまったので、山頂では登頂写真だけ撮って、そそくさと山荘へ向かいました。そこから10分程下り、今日宿泊の白馬山荘到着。無事、一日目の行程が終わりました。
翌朝、今日の行程は、今回の山行のメインであり、気が抜けないコースでもあります。残念な事に、K光さんは日曜日の夕方には帰京しなければならないとの事で、一人先に下りる事になりました。夜中3時頃、お布団の中から、先に出発するK光さんを見送り、もう一眠りしてから、私達も祖母谷を目指して下って行きました。白馬山荘から清水岳への登山道が、最初の分岐から暫くはロープも張っていて分かり易かったのですが、雪田の辺りから印も無く、道もガレ場で分からなくなってしまい、2人でウロウロしてしまいました。とりあえず迷ったら分かる所まで戻る、と言う原則で、もう一度分岐まで戻り分岐にいた人に訪ねたりして、やはり旭岳の中腹に見えるルートで間違いないと確信してから歩き始めたので、一時間程、ロスタイムしてしまいました。裏旭岳を過ぎ、小旭岳~清水岳へと続く稜線はチングルマの群生が見られ、もちろんお花は咲いていませんが、真っ赤に紅葉していて草紅葉がとても綺麗でした。そして清水尾根からの展望は素晴らしかったです。朝からとても天気が良かったお陰で、剱岳、立山、奥の方には槍ヶ岳の尖った岩峰も良く見えました。素晴らしい北アルプスのパノラマを眺めながらの尾根歩きは、今回のルートの醍醐味です。いつまでも眺めていたい所でしたが先に進むと、清水尾根は厳しい下りの連続となりました。樹林帯に入り、ただひたすら斜面に転がされる様に脚を運び、夢中で下って行くと、不帰岳避難小屋に出ました。この小屋は時々利用者がいる様で、綺麗に掃除されていて、少し下った所に水場もあります。避難小屋から暫く下ると、まず最初のロープが出て来ました。結構な激下りで、ロープにしっかり捕まって、慎重に下ります。その後、地図にも書いてありますが百貫ノ大下り、と言われるジグザグの急坂と沢を3本程トラバースして下りました。所々、道と言うより、片足しか置けない様な山の斜面をロープに捕まりながら伝歩きして、慎重に下る場面もありました。おそらく、あまり人が通らないので、斜面がだんだん崩れて、道が潰れてしまったのかもしれません。足場の悪い下りをひたすら下ると、車道に出ました。ここから暫く車道を道なりに下ると、祖母谷温泉に到着です。祖母谷温泉小屋が見えた時は、ほっとしました。やっと下りが終わったー! と言う感じです。やはり、長い下りだけでなく、ロープに捕まったり大木を跨いだり、よじ登ったりと、かなりの悪路だったので、久しぶりに太ももがパンパンになってしまいました。宿に着いて、早速お風呂。まだ内湯は誰もいないと言うので、2人で貸し切り。この時は、疲労した体に温泉がとても気持ち良かったです。食事の後で、露天風呂も堪能しました。ここの温泉は、湯量豊富で勿体無い程、ジャージャー流しっぱなし。まさに源泉掛け流しです。河原のそばに立っている素朴な温泉宿で、まさに秘湯。清水尾根を下って来た体を癒すにはとても良いお湯でした。部屋も2人で個室だったので、ゆっくりと休めて良かったです。次の日も快晴。今日は帰るだけなので、ゆっくりと朝食を取り、欅平まで40分程歩き、そこからトロッコ電車に乗り、JRを乗り継いで帰京しました。
以前から行きたいと思っていた秘湯。歩いて行かなければ行けないからこその特別な場所は、訪れた人にしか分からない良さがありました。お天気に恵まれ、清水尾根からの北アルプス連山の眺めは、忘れられない景色となりました。          記録:S水